すべては、たった一杯のお茶から始まりました。

人生を変えたお茶との出逢い

「日本緑茶発祥の地」と言われる京都府宇治田原町で僕は生まれました。その町では小学校で茶摘みの授業があり 、 蛇口をひねればお茶が出ます。それくらい 、お茶はごく身近な存在でした。お茶を飲む機会も人一倍あったと思います。しかし、20 歳を過ぎた頃、その後の人生を決定づけるお茶と出逢うことになります。 ふらっと立ち寄った地元の祭り。有名なお茶農家の方が「まぁ飲みや」とサッと淹れてくれたお茶を口に含んだ瞬間 、僕は思わず「うわ!」と声をあげました。飲んだのは玉露だったのですが、これまで飲んだどのお茶とも一線を画す豊かな旨みと香り。僕は湯呑みのなかのお茶を見つめたまま、ただただ圧倒されていました。自分の生まれ育った町でこんなに美味しいものが作られていたのか。もっと広く知られるべきだ ─── そのときの想いが「Hokuzan」の原点になっています 。

老舗問屋でお茶の本質を学び独立

そこから、お茶の探究が始まりました。あの味を求めて「玉露」と名のつくお茶を片っ端から買っては飲んでみる毎日。しかし、どれを飲んでもあの味はしません。どれだけ高価な玉露を買っても結果は同じでした。後で学ぶことになるのですが、同じ玉露でも数ある農家や産地、製法、つくられた年によって味がまったく違うんですね。その奥深さにどっぷりと浸かっていた僕は、迷うことなくお茶の道へ足を踏み入れました。伊藤園での営業や京田辺市にある「舞妓の茶本舗」での販売などを経て、最後は老舗茶問屋「祥玉園」で茶師としての修業を積み、お茶の本質の理解に努めました。茶師の資格も取得し、目利き力を競う「全国茶審査技術競技大会」に京都府代表として何度も出場するなど実績を積み、2017年に独立。現在、Hokuzanのお茶はカフェやホテルのスイートルームなどでも採用されています。

Members of Hokuzan

代表 山北祐士

京都府宇治田原町出身。学生時代に出逢った1杯のお茶をきっかけに茶の道へ。株式会社伊藤園での営業、京都府京田辺市内の老舗茶問屋「祥玉園」での修業を経て2017年に独立、現在に至る。茶の目利き力を競う「京都府茶審査技術競技大会」にて準優勝など優秀な成績を修め京都府の代表として「全国茶審査技術競技大会」に幾度となく出場。第32回京都府茶品評会審査会、第72回関西茶品評会出品茶審査会審査員。京都府茶審査技術四段。全国茶審査技術七段。『ジャパンメイド・ビューティアワード2018』優秀賞。

デザイナー Juho Viitasalo(ユホ・ヴィータサロ)

フィンランド出身。フィンランド航空やNASA、ボルボなどの世界の名だたる企業や団体とのプロジェクトを手掛ける。インダストリアルデザインやパッケージデザイン、3Dプリンティングなど多岐にわたって活躍中。